先カンブリア時代

地球の誕生と生物の進化

 約46億年前、地球は誕生しました。そこから実に約40億年の期間が先カンブリア時代です。先カンブリア時代は他の時代に比べて、とても長いのです。それだけ、生物の進化がゆっくりだったということが言えます。しかし、その後の地球や生命にとって重要な環境の変化がいくつも起きている時代です。

先カンブリア時代の環境変化と生物の進化。
出典:「東京大学生命科学教育用画像集」 外部リンク、「地球環境と生命の歴史」
本ページ用に先カンブリア時代の範囲を加筆。

 そもそも、誕生直後の地球はとても生物の生息できる状況ではありませんでした。地表はどろどろに溶けたマグマオーシャンと呼ばれる灼熱のマグマに覆われていました。

ハワイ、キラウエア火山、ハレマウマウ溶岩湖の写真。マグマオーシャンとはこのようなイメージだったと思われます。
出典:Hawaii Volcanoes National Park. May 1954 eruption of Kilauea Volcano. Halemaumau fountains. Photo by J.P. Eaton, May 31, 1954. (USGS Public Domain), 詳しくはこちらを参照 外部リンク

 やがて、放射冷却によって地表が冷えるとともに、約40億年前には海が形成されます。海のでき方にはいくつかの説がありますが、海ができることによって地球の環境や大気の組成が大きく様変わりすることになったのは間違いないでしょう。やがて、その海に生物が誕生します。

酸素の生成

 地球の誕生からしばらくの間、地球上には酸素がほとんどありませんでした。地球で最初の生命は、現在とは違い酸素呼吸をしない生物だったと考えられています。

 しかし、やがて地球上にも大きな環境変化が訪れます。光合成をして酸素を放出する生物が現れたためです。これらはシアノバクテリアと呼ばれる微生物で、ストロマトライトという独特の縞模様をつくる化石として残っています。シアノバクテリアの繁栄とともに、地球上に酸素が行き渡るようになったと考えられます。

ストロマトライトの化石 (ニューヨーク州サラトガスプリング近郊)。
出典:Stromatolites in the Hoyt Limestone (Cambrian) exposed at Lester Park, near Saratoga Springs, New York. - photo by Michael C. Rygel via Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0 外部リンク, 詳しくはこちらを参照 外部リンク

現在生息しているストロマトライト (オーストラリア、シャーク湾)。
出典:Modern stromatolites in Shark Bay, Western Australia - Photograph taken by Paul Harrison (UK), CC BY-SA 3.0 外部リンク, 詳しくはこちらを参照 外部リンク

縞状鉄鉱層

 縞状鉄鉱層 (Banded Iron Formation: BIF) は、25億年前頃に大量に形成されました。海水中の鉄イオンに酸素が結びつき、酸化鉄が大量に沈殿したためと考えられています。つまり、それまでは鉄に結びつくだけの酸素がなかったのに対し、この時期から海中に大量の酸素が溶け込むようになったことになります。その酸素の大量生成が、シアノバクテリアなどの生命活動の結果というわけです。

オーストラリア、カリジニ国立公園の縞状鉄鉱層
出典:Graeme Churchard from Bristol, UK - Dales Gorge Uploaded by PDTillman, CC BY 2.0 外部リンク, 詳しくはこちらを参照 外部リンク

 縞状鉄鉱層の色は赤褐色、すなわち鉄錆の色です。一方、縞模様の成因はよくわかっていません。季節変化と考える説もあります。

エディアカラ生物群

 先カンブリア時代も終わり頃になると、生物の種類が豊富になります。6億年前頃に現れたのがエディアカラ生物群で、殻や骨格がなく、軟体部分だけの生物です。しかし、これらの種は現在見られる生物群とは関連性がほとんどなく、エディアカラ生物群の大部分は、先カンブリア時代の終わる頃には絶滅してしまいます。

エディアカラ生物群の想像図
出典:Ryan Somma - Life in the Ediacaran Sea Uploaded by FunkMonk, CC BY-SA 2.0 外部リンク, 詳しくはこちらを参照 外部リンク

先カンブリア時代の日本

 先カンブリア時代の日本がどうなっていたか、実は全くわかりません。その時代の証拠が何もないのです。日本にたくさんの地層が残されるのは、次の古生代以降のことになります。


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