新生代

鳥類の大型化

 生物の進化でみると、新生代は哺乳類の時代です。しかし、最初に地上の支配者となったのは、巨大な鳥だったと考えられています。ガストルニスという種類の鳥 (近年までディアトリマとも呼ばれていました) は、体長2 m、体重200 kg以上にもなり、飛べない代わりに強力な脚と大型のくちばしを持っていました。

ガストルニスのイメージ図 (兼サイズの比較)
出典:Tim Bertelink - Own work, CC BY-SA 4.0, 外部リンク, 詳しくはこちらを参照 外部リンク

新生代初期の温暖化

 新生代のはじめの頃は、かなり温暖な気候だったようです (hyperthermal eventなどと呼ばれます)。実は、温暖化にも2種類あって、きわめて短期間なものと、長期間に及ぶものが、続けて発生しています。時代の名前をとって、それぞれPaleocene - Eocene Thermal Maximum (PETM) およびEocene Climate Optimumと呼ばれます。PETMは20万年ほどの出来事ですが、Eocene Climate Optimumは数百万年も続いたと考えられています。これらの時期の平均気温は、現在に比べると6~8℃も高く、このため南極や北極には氷床がなかったと推定されています。

底生有孔虫化石の酸素同位体比プロット。左になるほど温暖な気候で生息していたことを示します。
PETM = Paleocene-Eocene Thermal Maximum, K/T = Cretaceous/Tertiary boundary, MME = mid-Maastrichtian event. OAE = Oceanic Anoxic Event.
出典:Shipboard Scientific Party (2002) Leg 198 Summary In Bralower, T.J., Premoli Silva, I., Malone, M.J., et al., Proc. ODP, Init. Repts., 198. doi:10.2973/odp.proc.ir.198.101.2002の第6図。詳しくはこちらを参照 外部リンク

 これらの時期にはまた、大気中および海水中の炭素の量が増大していることも明らかになっています。炭素には同位体がありますが、このときには軽い炭素 (12C) が増加しており、炭素同位体比異常 (Carbon Isotope Excursion; CIE) とも呼ばれます。増加の原因としては、大規模な火山活動による二酸化炭素の放出、そしての大量融解によるメタンガスの放出などが考えられています。後者については、「メタンハイドレート」のページの「メタンハイドレートと温暖化」をご覧下さい。

哺乳類の進化

 恐竜のいなくなった地球上で、やがて哺乳類の進化が始まります。実際、新生代の期間は中生代の白亜紀よりも短いのですが、哺乳類はその短期間のうちに進化・多様化しています。このため、生存競争も激しく、進化と同時に絶滅種も出てきます。植物では被子植物が進化し、地表を支配するようになります。

デスモスチルスの化石標本。新生代中新世に生息していた大型の哺乳類ですが、その後絶滅してしまいます。
出典:産総研地質調査総合センター 外部リンク地質標本館のトップページ画像より 外部リンク

 そして、現代に至る時代である第四紀は、人類の誕生で特徴付けられます。2000年代前半まで、第四紀は181万年前より新しい時代とされていましたが、現在では258万年前より新しい時代を指します。

更新世の動物たちのイメージ図 (氷河期の北部スペイン)
出典:Mauricio Anton - from Caitlin Sedwick (1 April 2008). "What Killed the Woolly Mammoth?". PLoS Biology 6 (4): e99. DOI:10.1371/journal.pbio.0060099. 外部リンク, CC BY 2.5, 外部リンク, 詳しくはこちらを参照 外部リンク

氷期と間氷期

 第四紀はまた、氷期・間氷期が繰り返していたことでも知られています。古気温を示す指標とされる「海洋酸素同位体比」のグラフからは、寒冷な時期と温暖な時期が交互に繰り返していたことが明瞭に分かります。最後の氷河期は約2万年から1万6千年前頃にあり、その後温暖化が進んで6000年前頃にピークを迎えます。現在は、次の氷河期に向かう途中、本来なら次第に寒くなる時期にあたると考えられています。

過去100万年間の海洋酸素同位体比変動曲線。ICSのGlobal chronostratigraphical correlation table (v. 2016a) 外部リンク を参考に作成。

新生代の日本

 新生代の日本では、いろいろなことが起こっています。古第三紀には、各地に石炭の地層が形成されます。日本の石炭は世界の主要な石炭と違い、ずっと若いことになります。新第三紀になると、それまで大陸の一部だった日本が、地殻変動により大陸から分裂し、島弧になるという一大変化が起きます。日本海の誕生です。このときの激しい構造運動は、各地に断層を残し、火山活動を引き起こし、鉱床を形成しました。さらには南から伊豆半島が本州に衝突するに及んで、今日の日本列島の形ができあがります。


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