最終更新 2017.07.02
男体山は、日光火山群の一部をなす成層火山です。2017年6月20日、火山噴火予知連絡会は日光火山群の男体山を新たに活火山と認定しました。これは、男体山の最新の火山噴火が約7000年前に起きたことが新たに確認され、活火山の定義である「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」に該当することになったためです (火山噴火予知連絡会の報道発表資料のページはこちら )。
男体山の南側斜面。南から眺める男体山は、きれいな円錐形の山体を成しています。日光市歌ヶ浜にて。2000年2月撮影。[画像クリックで拡大]
1万年よりも新しい火山活動があることが最初に報告されたのは、2008年の日本地質学会です。このとき、学会ではプレス発表を行いました (そのときの資料はこちら )。また、当時の火山噴火予知連絡会にも報告されています (そのときの資料はこちら )。
その後、男体山の火山地質や活動に関する詳細な論文も公開されました。その結果、噴火の年代が明らかになるとともに、男体山の形成史もかなり解明されてきたと言えるでしょう。
男体山の地質については、日光火山群のページにある「男体山の火山活動と地質」で詳しく紹介しています。また、3D地質図で、男体山を初めとする日光火山群の地形と地質の特徴を、ぜひご覧ください。
男体山が活火山に認定されたといっても、新たに噴気や地震活動が始まったわけではありません。男体山の最後の火山活動時期が従来考えられていたよりも長引いていて、その終わりが1万年前よりも新しいことが分かったのです。一方で、日光火山群の地下には引き続きマグマが存在しており、日光白根火山では有史時代の噴火も記録されています。国や大学等の機関による火山活動の観測態勢は既にありますので、明らかに通常と異なる現象があればとらえることが出来る可能性は大きいでしょう。
関連する情報として、「栃木県の活火山と地震」のページもご覧ください。
男体山の西側斜面。西側からの眺めでは、男体山は山頂部が広く見えます。日光市千手ヶ浜にて。2000年2月撮影。[画像クリックで拡大]